経済政策論、財政学、公共経済学、公共政策論、総合政策論などのテキストに必ずといっていいほど含まれるようになった公共選択論を体系的に紹介する。. 公共選択論は,経済学の分析用具を使って,市場以外の場での決定を研究領域とする学問である.政策決定プロセスを研究の対象として,特に民主主義的な政府の分析を中心に発達してきた.わが国でも1960 年代に公共選択論の理論的研究が始まり,次第に公共選択論が1 つの研究分野として認知されるようになった.それにしたがって,経済学部や法学部,政治学部等の伝統的な社会科学系の学部における授業科目の中に,公共選択論の名称が定着するようになってきた..
公共選択論(こうきょうせんたくろん、英: public choice theory)は、主として経済学における学問分野の一領域で、民主制や官僚制の下における政治過程を、ミクロ経済学的なアプローチで解く学問である。政治学と経済学の橋渡し的な分野である。特に、公共選択論では政治家や官僚を、自分の利益のために戦略的に行動するプレーヤーと捉え、彼らの社会・政治システム下での戦略的依存関係を分析する学問分野である。
ジェームズ・ブキャナンらから成るシカゴ=ヴァージニア学派を中心に、1960年代に生まれた。1980年代後半からは非協力ゲーム理論の新しい分析手法が取り入れられたことによりめざましい学術的成果を生み出し、公共選択理論は現実の政策形成に一定の説明力を発揮した。こうした背景から、今日ではこうした一連の研究が「新政治経済学 (new political economy)」などと呼ばれることも多い。さらに計量経済学を用いた実証研究を含める場合は、政治経済学と呼ばれる。また、近い分野に社会選択理論がある。
研究者としてジェームズ・M・ブキャナン、ゴードン・タロック、エリノア・オストロムらが有名。
限界
ブキャナンとタロックは、開発されたアプローチの方法論上の制約を、彼ら自身の著作において略述する。
政治の重要な要因を説明することにおいて有用なことを証明する、合理的な利己心の仮定をもったモデルであっても、すべての個人らが振る舞いの仮定がなされるように行動することは意味しないし、もしくは、いかなる個人もいついかなるときもこのような仕方で行動すると限ることも意味しない…集団的選択の理論は幾らかの集団的行動の断片しか説明できない。しかしながら、すべての個人的な振る舞いの幾らかの部分である限りで…は、実際、効用最大化によって動機を与えられる、そして同一にすべての個人の効用関数を作り出すその争点に好意を与えないグループ分けによる個人の識別であるかぎりにおいては、政治的活動性での経済的な個人主義者のモデルは幾らかの肯定的な価値のあるものになろう。
脚注
参考文献
- 黒川和美『公共部門と公共選択』三嶺書房、1993年。ISBN 978-4-914906-55-9。
- 小林良彰『公共選択』 第9巻、東京大学出版会〈現代政治学叢書〉、1988年。ISBN 978-4-13-032099-3。
- タロック, ゴードン; ブキャナン, ジェームズ (1962). The Calculus of Consent. Ann Arbor: University of Michigan Press. https://books.google.com/books?id=skAQQU6Vc6AC&pg=PA30&lpg=PA30&dq=#v=onepage&p&f=false
- 宇田川璋仁ほか 訳『公共選択の理論-合意の経済論理』東洋経済新報、1979年。ISBN 978-4-492-31116-5。
- デニス・C・ミューラー編『ハンドブック 公共選択の展望』全3巻 関谷登・大岩雄次郎訳、多賀出版、2000年。
- 川野辺裕幸・中村まづる編著『公共選択論』勁草書房、2022年。
関連項目
- 実証政治理論
- 政治経済学
- 合理的選択理論
- 社会選択理論
- ヴァージニア学派
- 陪審定理
外部リンク
- 公共選択学会
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公共選択論と公共政策学との対話
自由と成長の経済学講座第3回「公共選択論~市場は誤るが政府も失敗する」経済学者柿埜真吾 渡瀬裕哉【チャンネルくらら】 YouTube
公共選択論は、政治家も効用最大化すると問題提起し、政治の世界に経済の原理を適用することによって、多くの政府の失敗を明らかにしてきた。 (1)の特徴からは、政府の失敗を意識した制度設計をせよ、との含意が導かれる。 公共選択論の起点となったと言ってよいJames BuchananとGordon Tullockの共著書The Calculus of Consentのキーワードの一つは全員一致である。 公共選択論には、全員一致で支持されるものは望ましいという規範が存在する。 (2)については、設計された制度が人々の合意によって支えられていなければならない、という強い民主的要請があると解釈する。. その最も強力な武器となったのが、1960年代にジェームズ・ブキャナン(James Buchanan)やゴードン・タロック(Gordon Tullock)らによって確立された、「公共選択論(Public Choice Theory)」である。 この理論は、政治学・行政学の「常識」を根底から覆した。